2008北京五輪で、個人銀メダル、
2012ロンドン五輪で、団体銀メダルと好成績をあげ、
太田雄貴というスターを生み出した、日本フェンシング界だが、
リオ五輪、そして、東京五輪を視野に入れてみると、
若干、今後に不安を抱かざるを得ないというのが、正直なところである。
昨年、ロシアで開催された世界選手権においても、
個人・団体共に、低調な成績に終わっている。
一定の結果を残したことで、ハングリーさがなくなったのだろうか。
活躍したことで、他のいろんな仕事が入り、
競技に集中できない事態に陥ることは、
どの競技でも起こりうることである。
加えて、マイナースポーツの場合は、
普及にも努めなければならず、その忙しさは、
それまでの生活スタイルを、がらりと変えてしまうことだろう。
こういう時こそ、長期的な展望を見据えて、
選手強化を図っていく必要がある。
幸い、これまでは、五輪メダルに近いフルーレを、
重点的に強化してきた方針を、東京五輪を見据え、
全種目でメダルを狙える実力をとの方針で、協会は望んでいるようである。
その成果は、世界トップとの差が大きかった、
エペとサーブルにおいて、世界選手権では、団体で順位が向上するなど、
少しずつではあるが地力を上げていると言える。
正直、リオ五輪においては、
過去2大会の様な活躍は、見られないかもしれない。
しかし、東京五輪を見据え、各種目の底上げを図り、
世代交代を推し進めている協会の姿勢は、称賛すべきものである。
その成果が、東京五輪で大輪の華を咲かせる姿が、今から楽しみだ。