長い低迷の時期を脱し、2008北京五輪出場を果たしたものの、
五輪で、初めて1勝も出来なかった時から、
男子バレーの凋落は、予想されたものだった。
2012年、ロンドン五輪出場を逃し、
2013年、初の外国人監督を招聘するものの、
コミュニケーション不足を理由に、わずか1年で解任するなど、
女子が今後に期待が持てるのに対して、男子は迷走が続いている。
このままでは、リオ五輪出場はおろか、
2020東京五輪でも、目立った成績は残せそうにない。
果たして、日本男子バレーに未来はあるのだろうか。
今年のV・プレミアリーグは、JTが初優勝を果たしたが、
優勝したJT、準優勝のサントリー、3位に躍進した田合成の、
監督は、いずれも外国人監督だ。
まことに皮肉としか、言いようがない。
もちろん、代表チームとクラブチームの違いはあるにせよ、
そこには、言葉の壁によるコミュニケーション不足の、影響は感じられない。
野球やサッカーなど、他のスポーツを見ても、
外国人監督は、優秀な成績を残している人が多い。
要は、バレー界の体質が、
まだまだ、閉鎖的なだけではないだろうか。
かつて、アジア3強と言えば、
日本、韓国、中国だった男子バレーだが、
今ではイラン、インド、カタールなど、
どんどんレベルが向上し、特にイランは、
世界ランキングもトップ10に入るなど、世界の強豪となりつつある。
昨年のアジア大会で、準優勝するなど、
少しは明るい兆しのある、日本男子バレー。
ぜひともリオ五輪出場を果たし、
2020東京五輪への、いい流れを作ってもらいたい。
月別: 2017年4月
リオ五輪に向けて|男子サッカー
2012ロンドン五輪で予想外の快進撃を見せ、
4位に入った男子サッカー日本代表。
しかし、そこからU-23世代は、
フル代表の主力を担うほどの力はなく、
結果として、ワールドカップは惨敗。
続くアジアカップでも、準々決勝敗退と苦戦が続いている。
次のワールドカップ、さらには2020東京五輪でメダルを獲得すべく、
2016リオ五輪には、是が非でも出場を果たし、
好成績を上げることで、地に落ちた代表の価値を、
上げていきたいところだが、リオ五輪出場を果たすには、
相当な茨の道が待ち受けている。
1次予選を比較的無難に勝ち進み、2016年1月12日から、
カタールで行われるAFCU-23本大会への出場を、
決めた男子サッカー日本代表。
本大会は16チームが、4グループに分かれ総当たりを行い、
各組の上位2チームが、決勝トーナメントに進む方式となっている。
要するに、アジアカップと同じ方式だ。
最近の若い世代にとって、準々決勝突破が、
鬼門となっているだけでなく、抽選において、
日本は、第一シードから外される可能性が高いと言われており、
最近の五輪予選と異なり、かなり厳しい戦いが予想される。
世界大会を経験していないばかりか、
所属クラブでも、レギュラーになりきれていない面々が、
中心のチームでは、非常に心もとないのが現状である。
幸い、アギーレ監督に代わり就任した、
フル代表のハリルホジッチ監督は、
世代交代をかなり推し進めてくれると、期待できる監督だ。
来年のU-23本大会までに、多くのU-23世代が、
フル代表を経験し、個の力と組織力を少しでも向上させ、
リオ五輪に出場してくれることを願ってやまない。
リオ五輪に向けて|水泳
オリンピックにおいて、日本のお家芸の1つである水泳。
一時期の低迷を経て、北島康介という、
スターを中心に、2000年代を席巻した。
他の競技に比べても、世代交代が順調に進んでいる方で、
2012ロンドン五輪においては、金メダルの獲得こそ、
無かったものの、男子が銀メダル2個、銅が3個、
女子が銀1、銅4と、層の厚さを見せつけた。
何よりも、水泳チーム全体の雰囲気の良さが、
成績以上に観る者の心を熱くさせ、感動を呼んだ。
日本人に不可欠な結束力の高さは、期待されながら、
実力を発揮できずに敗れ去っていった選手の多かった、
過去の時代と比べると、隔世の感があるといってもいいだろう。
現在、日本水泳界のエースと言える存在は、
ロンドン五輪時にはまだ高校生だった、荻野公介選手だ。
ロンドン五輪では、日本人初の400m個人メドレーで、
銅メダルを獲得し、高校生では56年ぶりの、
メダリスト誕生となった。
昨年のアジア大会ではMVPに選ばれ、リオ五輪、
さらには2020東京五輪に、期待の持てる存在だ。
荻野選手以外にも、この年代には、実力のある選手が、
ひしめいており、今後の活躍が期待されている。
唯一不安なのは、メダルを獲得できる選手と、
そうでない選手との、差が開き始めているのが、
気になるところだ。
それによって、一部の選手達の強化だけに走り、
日本の良さである、”和” を尊んだチーム力だけは、
失ってもらいたくない。
今年の世界選手権、来年のリオ五輪の成果に期待したい。
リオ五輪に向けて|女子バレー
前回のロンドン五輪でロス五輪以来、
実に28年ぶりの銅メダルを獲得した女子バレーボールチーム。
この勢いに乗ってリオ五輪、さらには次の、
2020東京五輪で久々の金メダル獲得といきたいところだが、
事はそう簡単に進むものではない。
”ハイブリッド6”という新戦術も、どこまで機能するかは未知数で、
場合によっては、2000シドニー最終予選の時の様な、
悪夢の予選落ちだって十分に考えられるのだ。
前回、銅メダルを獲得できたのは、鬼門となっていた、
準々決勝を中国との激闘の末に突破できたことである。
2004、2008と簡単に跳ね返されていた高い壁を乗り越えられたのは、
眞鍋監督始め、スタッフの手腕に他ならない。
勝つための最良の選択を追い求め、適材適所に、
メンバーを配置した眞鍋監督の起用法が功を奏したのだ。
かつての様な日立、ユニチカなどクラブチームが、
そのまま代表に直結していた時代と異なり、
今の時代は、各チームからメンバーが選ばれているため、
監督の手腕が余計大事になっているのだ。
反面、チームとしてのケミストリーがうまくいくかどうかは、
その都度微妙なものがある。
特にセッターの竹下選手と、キャプテンだった荒木選手の存在が、
ロンドン五輪時には大きかった。
体格面で劣る日本代表が世界と互角に戦うには、
チームの強力な結束力が不可避である。
まずは8月から始まるワールドカップで上位2チームに入り、
リオ五輪出場を早々と決めてくれることを期待したい。
リオ五輪に向けて|バドミントン
2012ロンドン五輪において、藤井瑞希・垣岩令佳ペアが、
正式競技になってから初のメダルを獲得した、日本バドミントン界。
世界の中では中国・韓国を中心に、アジア勢が強豪として君臨してきたが、
その中で日本が初の、しかも銀メダルを獲得したことは、
今後に期待の持てるものであった。
いい流れはその後も続き、2014年は男子団体が世界一に輝き、
女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀ペアが、
史上初めて世界ランキング1位になるなど、数ある競技の中でも、
今一番日本勢が勢いに乗っている競技と言えるだろう。
日本バドミントンがここまで成長する転換期となったのが、
2002年から2008年までペアを組んでいた、小椋久美子・潮田玲子の通称、
『オグシオ』の、活躍と言えるのではないだろうか。
国際大会での優勝、世界選手権銅メダル、五輪入賞と人気だけでなく、
実力も兼ね備えていた彼女達の活躍は、バドミントンの知名度を、
広く世間に認知させることとなった。
このあたりは、例えば、ビーチバレーなどと比べてみると、
より一層その価値の高さが理解できる。
アイドルアスリートが、競技の成長に繋がった例として、
日本のスポーツの歴史の中でも、珍しい部類に入るのではないだろうか。
アスリートをアイドル視して、必要以上にメディアに取り上げることに対しては、
多くの批判もあるが、場合によっては、このような結果を、
生み出すことができるということを示してくれた、バドミントン界。
リオ五輪、東京五輪での活躍を心から期待したい。
リオ五輪に向けて|柔道
オリンピックの歴史において日本柔道は、
累計、金メダル36個、銀メダル18個、銅メダル18個と、
他国を圧倒する成績を収めている。
しかし、2012ロンドン五輪においては、
金メダルは松本薫選手の1個に留まり、
他の階級でも、いい成績を残すことはできなかった。
その後起きた様々な不祥事などによって、
威信が地に落ちた感のある日本柔道界だが、
柔道競技の活躍無くして、日本のメダルラッシュは、
起きないといっても過言ではない。
リオ五輪、さらには、東京五輪の成功目指して、
柔道界には頑張ってもらいたいところだ。
金メダル1個に終わったとはいえ、
2012ロンドン五輪においても金1、銀3、銅3の計7個のメダルを獲得し、
合計数ではフランスと並び、第1位となるなど、
依然、日本柔道界は世界のトップグループと言える位置にいる。
しかし、成長が著しいグルジアやモンゴルなどの新興国の存在は侮れず、
よほど強化を真剣に推し進めていかないと、
いつか追い抜かれてしまう危険性は、十分にあると言えるだろう。
4月に全日本体重別選手権が行われ、世界選手権代表が発表された。
メンバーの中には、ロンドンで惜しくも敗れた、
海老沼選手や中矢選手も入っている。
代表選手に大学生が3人入っていることも、
今後に向けて明るい材料と言える。
8月に開催される世界選手権の目標は、男女ともに、
「金メダル3個、全階級メダル、団体戦優勝」とのことだ。
近年起きた不祥事の悪影響を吹き飛ばし、
子ども達の手本となれるような、柔道界の躍進に期待したい。